ただ知的複眼思考が出来れば良いというのではなく
知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)
- 作者: 苅谷剛彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/05/20
- メディア: 文庫
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私がここで問題としたいのは、「知識があれば分かる」とか、「調べれば分かる」知識の獲得によってすぐに解決できる問題ではなく、どうすれば知識と思考とを関係づけることができるか‐簡単に言うと、知っていることと考えることを結びつけるやり方の問題です。P52
本書の内容とは直接関係無いのだが、読みながら、学生時代単位がもらえるというので聞いた斎藤 孝先生の講演を思い出した。
曰く、「本で読んだことは、すぐに人に話して自分の理解を確認しつつ記憶の定着を図るのが良い。」
その効果については本当にその通りだと思うのだが、私は新しい知識を得た興奮が冷めないうちに他人に話すと、断定的で相手に対する配慮にかけた話し方になってしまいがちだ。
さらに、言ってることが正しかったときも、その発言が本当にその場に利益をもたらすのか考えず、「言いたいから言う」状態になることもある。
本が悪いのではない。これらは私の個人的な欠点だ。
(馬鹿なのに自己顕示欲が強い)
私は他の誰かと楽しく生きていくための読書にしたい。露骨に知識をひけらかすのではなく、それとなく知識を役立てることが出来る人間でありたい。
そういえば、本書の前半部分と深く関わる「論理トレーニング101題」にも書かれていた。
論理トレーニングの成果は、親、兄弟、友人、恋人、そしてとりわけ配偶者に対して無分別に発揮してはいけない。(1)初心者がうかつに論理的分析力を発揮して批判すると、(2)少なくとも現在の日本社会においては、人間関係を損ねるおそれがある。刃を研ぎ澄まし、懐中に忍ばせておく。そして、ここぞというときに抜くのである。P148
その言葉は必要か?
その言葉は真実か?
その言葉に思いやりはあるか?
少なくとも今後は、書かれていることをよく吟味した上で、言葉に出すようにしようと思う。
さて、よく吟味するとは具体的にどうすることなのか?
―――最初のページに戻ることにする。