胡散臭い自己啓発本の共通点

電通「鬼十則」 (PHP文庫)

電通「鬼十則」 (PHP文庫)

この本、本屋でちらと目次を見ただけで買ってしまったのだが、失敗だった。
でも、電通鬼十則」が悪いのでは無いと思う。

 電通鬼十則」その9
   頭は常に「全廻転」
   八方に気を配って一分の隙もあってはならぬ
   サービスとはそのようなものだ

の部分が目にとまり、詳しく知りたいと思ったから買ったのだ。


で、読んだのだが、どうも違和感がある。「入社三年目までに差がつく77の法則」の時は感じなかった胡散臭さがあるのだ。内容はそんなに変わらないハズなんだけど・・としばらく考えて、気がついた。


胡散臭い自己啓発本は、フィクションを使って主張を実証しようとする。


これだ。ゴルゴ13のプロ意識がどうだと言われても伝わってこないのだ。
著者もかなりの修羅場を生き抜いてきた経験がある(らしい)のだから、それをもっと具体的に書いて欲しかった。鬼十則を体現する先輩として、自らの体験を聞かせて欲しかった。


あ、でも「箱」を読んだ時は素直に受け入れられたな。自己啓発本は感動させてナンボ。フィクションで勝負するなら小説に太刀打ち出来るくらい徹底してやれ。ということか。


ただ、私はこの本を買ってしまったのだから、広告マンとしての著者には上手く乗せられたという事になる。
「読まなくていいよ、買ってくれれば」by高田純次